ローカルビジネスのオーナーの皆さん、こんにちは。Google検索で自分たちのお店がどのように表示されているのか、気になったことはありませんか?
それを丸ごと可視化してくれるツールが「Google Search Console」(GSC)です。しかも完全無料。この記事では、難しく感じるGSCを、本当にシンプルに、そして実際に役立つ形で説明していきます。
Google Search Consoleって何?
Google Search Consoleは、あなたのビジネスサイトがGoogle検索でどのように表示され、どのくらいクリックされているかを見える化するツールです。
Googleアカウント1つあれば、誰でも無料で始められます。
難しく聞こえるかもしれませんが、実は「今、うちのお店はどこにいて、どこへ向かうべきか」を教えてくれる地図のようなもの。検索順位や、どんなキーワードで見つけてもらっているのか、ユーザーがサイトを見つけやすいかどうかなど、SEO対策に必要な情報がすべて揃っています。
なぜローカルビジネスにとって重要なのか
ローカルビジネスは、例えば「渋谷の美容室」「中央区のカフェ」のように、特定の地域のお客さんを相手にしていますよね。だからこそ、Google Search Consoleで得られるデータが非常に役立つんです。
具体的には、こんなことがわかります:
「アクセスが多いページってどれ?」など、今売上に貢献しているページが一目瞭然になります。むしろ「このページ、お客さんから見つけてもらえてないな」という弱点も発見できます。ほかのサイトからどのくらいリンクされているか、つまり「信頼度」がどうなっているかもわかります。検索順位が上がったのか、下がったのかをずっと追いかけられます。サイトマップの送信やエラー対応など、技術的な管理もできます。
これらの情報を使えば、「次は何をやるべきか」という戦略が立てやすくなるんです。
Google Search Consoleの始め方
ステップ1:Googleアカウントを用意する
GSCを使うには、Googleアカウント(Gmailなど)が必要です。1つのアカウントで最大1,000個のサイトを管理できるので、複数のビジネスを運営していても大丈夫です。
ステップ2:サイトを登録して「ここは私のサイトです」と証明する
GSCにサイトを登録する際に、Googleに「このサイトは本当に私が管理しているものです」と証明する必要があります。これを「所有権の確認」と言います。
登録方法は2パターンあります:
ドメインプロパティを選ぶと、サブドメイン含めてすべてのURLを一括管理できます。ただし、DNSという少し技術的な設定が必要です。
URLプレフィックスプロパティを選ぶと、特定のページだけを管理できます。HTMLファイルのアップロード、メタタグの埋め込み、Google Analytics経由など、いろいろな確認方法が選べるので初心者向けです。
自分で設定が難しい場合は、すでにアクセス権を持っている人(ウェブ担当者など)に手伝ってもらう方法もあります。
Google Search Consoleで最初に見るべき「パフォーマンスレポート」
GSCにログインしたら、まず「パフォーマンス」というレポートを開きます。ここが最もシンプルで、最も大切な情報が詰まっているところです。
絶対に押さえておくべき4つの数字
1. クリック数 お客さんが「このサイト見たい」と思ってGoogle検索結果をクリックした回数です。つまり「実際にサイトを訪れた人の数」に近い指標。この数が多いほど、あなたのビジネスにアクセスが来ているということです。
2. 表示回数 あなたのサイトがGoogle検索結果に表示された回数です。クリックされなかった場合もカウントされます。「見つけてもらう機会」と考えればOK。
3. クリック率(CTR) 表示されたうち、何パーセントがクリックされたかという数字です。表示回数100に対してクリック数が10なら、クリック率は10%です。この数字が高いほど「検索結果で目立っている」ということ。
4. 平均掲載順位 Google検索結果で平均的に何位に表示されているかです。1位〜10位が理想。20位以下は見つけてもらいにくいサイン。
これら4つを見れば、あなたのサイトが「今、どんな状態か」がざっくりわかります。
さらに詳しく知りたい時に使う「細かい分析」
パフォーマンスグラフの下には、もっと詳しい分析ができるセクションがあります。
クエリ(検索キーワード) 「渋谷 美容室」など、お客さんがどんな言葉で検索して、あなたのサイトにたどり着いているのかがわかります。上位1,000個のキーワードが見られます。
ページ 「トップページがアクセス多い」「お問い合わせページは表示されてるのにクリック少ない」みたいに、各ページごとのパフォーマンスが見られます。
国 どの国からのアクセスが多いか。ローカルビジネスの場合、ほぼ日本からのアクセスだと思いますが、参考程度に。
デバイス スマホ、パソコン、タブレット別に、どの端末からアクセスが多いかわかります。最近はスマホが大多数だと思いますが、自分のビジネスのお客さんはどうでしょう。
検索外観 リッチリザルト(星マークや写真が付いた検索結果)経由のアクセスなど、特別な形式で表示されたことによるアクセスが見られます。
日付 クリック数や表示回数が、日ごとにどう変わっているかを追いかけられます。「あの日キャンペーン打ったから、その後アクセス増えてる」みたいに検証できます。
Google Search Console全体でできることの全景
パフォーマンスレポートは入り口に過ぎません。GSCには他にもいろいろな機能があります。
URL検査 特定のページが、Googleに正しく認識されているか(インデックスされているか)をリアルタイムで確認できます。新しくページを作ったときに「ちゃんとGoogleが見つけてくれてるかな」と心配になったら、ここで確認。
インデックス登録状況 サイト全体で、どのくらいのページがGoogleに認識されているか、エラーがないか、除外されているページがないか、といった全体像が見られます。
エクスペリエンス ページの読み込み速度や、スマホでの使いやすさなど、ユーザーが快適に使えるかどうかを示す「Core Web Vitals」をチェックできます。Googleは「サイトの速度や使いやすさ」も検索順位に影響させるので、ここは要チェック。
セキュリティと手動対策 サイトがハッキングされていないか、Googleのガイドライン違反がないか、といった危険信号をいち早く検出してくれます。
リンクレポート ほかのサイトからリンクされている情報や、自分のサイト内のリンク状況が見られます。
つまり、GSCは「サイト全体の健康診断ツール」なんです。
どのくらいの頻度でチェックすればいい
ビジネスオーナーであれば、月1回程度の確認で十分です。何か問題があったら、Googleからメール通知が来るので、毎日見張っている必要はありません。
ただし、新しいページを公開した直後や、サイトの大きな更新をした直後は、検索順位が変わりやすいので、1週間程度は頻繁にチェックするのがおすすめです。
プラスアルファ:Google ビジネスプロフィールとの連携
Google ビジネスプロフィール(お店の情報を管理するツール)とGSCを組み合わせると、さらに詳しい分析ができます。
例えば、GSCで「ブランド名が入ってないキーワード」(例:「渋谷 美容室」←「自分の美容室の名前」が入ってない)で流入してるクエリを見ると、それは Google ビジネスプロフィールが拾ってくれているクエリの可能性が高いです。こうやって「どんな検索で見つけてもらっているのか」をより詳しく把握できます。
もっと一歩進める:Google Analytics 4との連携
Google Analytics 4(GA4)というアクセス解析ツールと、GSCを連携させると、検索から流入したお客さんが「サイトを見た後、何をしたのか」まで一貫して追いかけられます。
具体的には: お客さんが「渋谷 美容室」で検索 → あなたのサイトをクリック → 店舗情報を見た → 電話番号をクリック
こんな一連の流れが、1つのプラットフォーム上で見られるようになります。
まとめ:Google Search Consoleはローカルビジネスの味方
Google Search Consoleは、無料で使えるローカルビジネスの最強ツールです。最初は画面がごちゃごちゃしていて、「ちょっと難しいな」と感じるかもしれません。でも、一度使い始めると、あなたのビジネスサイトの「今」を理解する、本当に頼もしい味方になります。
GSCのデータをもとに「どのキーワードでお客さんが来てくれているのか」「どのページが活躍しているのか」を理解すれば、その後のSEO対策も、ビジネス全体の方針も立てやすくなります。
まずは難しく考えず、パフォーマンスレポートの4つの数字を眺めるところから始めてみてください。そこから、あなたのビジネスに合った使い方が見えてくるはずです。
